第29章 Low-grade fever of crimson~オール
「あの二人、どーなったでしょうか?」
佐助が二人消えた方を見ながら
心配そうに信玄に問いかける
「.......さぁ、意外と丸く収まるんじゃないかな?幸村も、もう少し姫に優しい言葉や愛を囁いてあげれば良いのになぁ」
ふう、とため息をつきながら
信玄は答える
「お前の場合は、やり過ぎだ。誰彼構わず愛想を振り撒くのも、理解しかねる」
呆れたように謙信が言い放ち
くいっと杯を煽る。
謙信の杯に酒を注ぎつつ
「皆にとって、ほっとけないって、存在な様だな、真田は」
隣に座る秀吉がそう言いつつ
何かを考える様に目を伏せ
「何処かで聞いた様な話だ」
と、ふっと目を細めた
「まぁ秀吉の場合、母親並みだがな。ほっとけない加減が」
政宗がくくっと笑った
「........政宗さんも、人の事言えないと思うけど」
しれっと家康が言い放つ
「成る程、リオさんの母上が秀吉様で、父上が政宗様って事ですね」
「お前なぁ.........」
「気分悪くなる様な事を言うな三成」
一人納得している三成に
呆れる二人