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イケメン戦国~時をかける恋~

第23章 Wedge of the love~謙信~※R18※



「謙信様、失礼します」


襖の向こうから、愛しい女の声がする
襖が開かれ、リオが部屋に入ってくると
部屋に湯上がりのふわんと柔らかく暖かい空気が流れ込む

しっかり暖まって来たのだろう

と、襖の側でリオが自分に視線を向けたまま、固まっているのが目に止まる

どうした?と声を掛けると

慌てた様にほんのり赤い頬をさらに染め、
良いお湯でしたと
持っていた手荷物を部屋の隅に置きに向かう

何だか何時もと様子が違うが
この様な場を、佐助と計画する様な女だ
全く興味深く目が離せない

羽織を脱ぐ衣擦れの音がし
空気が揺れれば、何時もと違う香の香りがした
少し不思議に思うも、
こちらに来て酌をしろとだけ声をかけ
また月を見上げた

こんなに穏やかな気分で居るのは
久方ぶり、いや、初めてかもしれん
常に戦いの中に身を置く事でしか
自分の存在意義を見出だせないで居た
あの頃の自分
リオに出会いヤツを知れば知る程
心がざわつくのが押さえられなかった
後にそれが恋であると知るまで
いけすかない女としか思って居なかったのだが......

ふっ、牙を抜かれたな、俺も
そんな事を考えていると
リオが自分の側に腰を卸す
杯を差し出し、お前も呑むか?と伺えば
杯を受け取り、ふわんと笑うリオ
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