• テキストサイズ

フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】



天気は晴天。
麗らかな陽気。
絶好の、バーベキュー日和。




「なー、赤葦。コンビニ寄って!お茶飲みたい!」

「はい?さっきスーパーで買ってたじゃないですか」

「もう飲んじゃったし」

「トイレ近くなりますよ」


赤葦の運転する車内。
助手席ではいつものように、木兎が駄々をこねている。
うるせーから赤葦に世話を任せて正解だな。

スーパーへバーベキューの材料を買い出しに行って、その足で今、梨央ちゃんの迎えに向かってる。
後部座席、俺の隣にはツッキー。
一番年下にも関わらず先輩に運転を任せ、尚且つ寝ているという図太さ。
ま、別にいいけどね。


コンビニに寄って木兎の買い物が済んだ所で、俺は梨央ちゃんに電話を入れる。

「あ、梨央ちゃん?駅いる?わりぃ、もう着くから」

通話を切ったタイミングで、いつの間に起きていたのかツッキーが口を開いた。

「汐里以外に女の人が来るの、初めてですね」

「そうねー。赤葦は唯一の彼女持ちなのに、連れてきたことねぇもんな」

「黒尾さんにちょっかい出されるのが嫌なんじゃないですか?」

「俺、人の彼女にまで手ぇ出す節操なしに見える?」

そう言った直後、はたと気づく。
手は出してない。
けど、抱き締めて添い寝……まではしたな。

いやいや!
あれは梨央ちゃんを慰めるためで、やましい気持ちがあったわけじゃねぇし。
てか、梨央ちゃんの彼氏、仮に手出したとしたって文句言えねぇような男だし!


ほとほと自覚してる。
俺ん中で、どんどん梨央ちゃんの存在がデカくなってる。
梨央ちゃん、彼氏と別れられたんだろうか…?


/ 680ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp