• テキストサイズ

フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】





「……」


「……」



暫しの沈黙。

てっちゃんは小さく息を吐いて、お風呂上がりの無造作な髪の毛を掻き上げた。

やっぱり、まずいかな…。
そう思って少しうつむく。


「エッチなことすんなよ?」


空気を塗り替えるみたいなてっちゃんのおどけた口調と、腰を折って私を覗き込むニヤリとした顔。
一気に緊張が解ける。


「し…、しないよ!てっちゃんこそ!」


ムキになってそう言えば、「ウヒャヒャッ!」って変な笑い方でかわされる。


ホント、さすがっていうか。
変な雰囲気にならないようにしてくれた。
内心感謝しながら、私たちはひとつのベッドに入った。









二人で布団を被って、電気を消す。
改めて近づくと、スポーツしてただけあってやっぱりガッチリしてる。
"男の人"なんだって、嫌でも意識してしまう。
お互いなんとなく仰向けになって、天井を見ながら言葉を交わす。

「梨央ちゃんとこんな状態でいること知られたらさ。殺されるだろうな、俺」

至近距離にいるから、囁くような小さな声でも体に伝わってくる。
修一さんの姿を思い出す。
彼の、外の顔。

「彼は……私以外には感情的にならないから。たぶん、怒っても理詰めするだけ」

外では穏やかな紳士。
だけど、二人の時は怒ったり呆れたり、感情をストレートにぶつけてくる。
そんな性格だから、私は彼の顔色をうかがうクセがついてしまった。


/ 680ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp