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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】



二人で部屋に入り、まずはお風呂の給湯ボタンを押す。
雨が染み込んだ服を脱いで、部屋着に着替えた。

寝室からリビングに戻ると、てっちゃんはスーツを脱いでネクタイを外している。
シャツのボタンの首元を開けて、カッチリしたオフィススタイルからプライベートの姿に。


何かドキドキする。
"そういうこと" をするワケじゃないのに、意識しちゃって…。
思わず視線を逸らした。


「どした?」

「ううん。あ、スーツハンガーに掛けとく」

「ありがと」

受け取ったスーツを寝室のクローゼットへ入れて、キッチンへ戻り冷蔵庫からビールを一本。

「てっちゃん、飲む?」

リビングに向かって声を掛ける。

「ああ、もらう」

ソファーから立ち上がったてっちゃんが手を伸ばした。
ビールのプルタブを開け、私の体に視線を落とす。

「家の中ではそういうの着るんだ?」

「え?うん。楽だから」

「なーんか新鮮。カワイー」

「……」

えっと……どこがかな?
意識高い系の女の子が着るような、ふわふわパステルカラーのブランドの部屋着じゃないし。
ただの黒いスウェット生地のワンピースだし。
しかも、てっちゃんの好きなミニでもないし。

「うん、なんてーか。エロカワイイ」

ビールをクイッと飲みながらそう言うてっちゃんに、思わず吹き出す。

「あはは!何かオジサンみたい!」

「ハァ~?俺がオジサンなら、梨央ちゃんはオバサンだからな?俺より年上なの、忘れてませんかァ~?」

「ひっどーい!」


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