第7章 君が唄うラブソング ※【月島蛍】

「スゴ…、全部くわえてる」

「うそ…っ」

「ホント」

「んあっ…、蛍くっ…」

「奥に当ててんの？」

「ん…」

「気持ちいいんだ？」

「っ…、ナカ、いっぱいっ…」

「何かズルいよねー、一人で気持ちよくなっちゃって」

腰が弾むたび、プルンと揺れる丸い胸。
それを見上げながら含み笑いすると、卑猥な動きはピタリと止まった。


「蛍くんは…よくない？どう動いたら気持ちよくなってくれる…？」


優位に立ってたつもりなのに。
不安げな顔してそんないじらしいこと言われたら、これ以上イジワルできなくなっちゃうじゃん…。


「……気持ちいいよ、ちゃんと。我慢してただけ」


嘘じゃない。
淫らに悦に浸る奈々子さん見てたら、どんどん固さが増すのを自覚してた。
キュウキュウ締め付けて、肉壁が僕の欲を絞り出そうとして…そろそろ僕も、解放したくてたまらない。


「おいで？」


手を広げて彼女の上半身を招き、キス。
大切な存在を腕の中に確かめて、ギュッと抱いた。
こうしたまま、このまま…イこう？



僕が腰を跳ね上げた途端、イヤラシイ声が耳から脳天へ突き抜ける。

「はぁ、すご、また…イっちゃぁ…っ！」

「いいよっ、イキな…？」

「あっん…、蛍く…っ、あのね、」

「ん…っ？」

「きもち、よすぎて…、しあわせっ…」

必死にしがみつきながら、さっき僕が導いた通りの台詞を口にしてくれる。


「ん、僕、もっ…」




本当だよ。
体だけじゃなくて、心も凄く気持ちがいい。

愛してくれる人がここにいる。
躊躇いなく愛せる人がいる。
君になら翻弄されてもいいや、って心を放てる感覚。



こういうのを "幸せ" って呼ぶんだろうか。
これが幸せじゃなかったら…
きっと僕は一生、幸せなんて知らないままだ。



「奈々子さんっ…、そばにいてあげる…、ずっとっ…」



"そばにいてほしい" …って言えない僕を、許して？
照れくささが邪魔して、まだ君ほど素直にはなれないみたいだ。



「うれしっ…、そばに、いてねっ…？けいくんっ…」



二人で手繰り寄せた絶頂は、官能に満ちる。
そしてこれほど濃厚な男女の時間を過ごしたというのに、僕の心の奥には、今までに経験のない安らぎまでもが潜んでいた。