• テキストサイズ

フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第7章 君が唄うラブソング ※【月島蛍】



ギュッと抱き締める。
痛くたって知らない。
また逃げられたら困るからね。



もう絶対、どこにも行かせない。



「全然違うから。僕をツッキーって呼ぶ女友達が一人だけいて…ていうか、ほら、昼間の。赤葦さんの彼女なんだけど。木兎さんちでみんなしてよく飲むんだよ。それで勘違いしただけ」


「…あかーしくん、の?」


「そ。二人でいるとこ、見たでしょ?だから、奈々子さんが思ってるようなことじゃない」


泣かせたクセにこんなこと思うのはアレだけど…。

泣かないでよ。
僕が今から、ちゃんと笑顔に変えてあげるから。


「奈々子さんとの時間、僕は気に入ってる。
さっき誤解されたって思ったら、めちゃくちゃ焦ったし…。こんな風に必死で誰かを追いかけたのも、初めて」


腕の中の奈々子さんは、まだ揺れる瞳で僕を見つめてくる。
涙に濡れた頬をそっと指先で拭って、もう一度、強く抱いた。



「奈々子さんとは、ずっと一緒にいたいって…思ってるよ」



それまで戸惑うように伸ばされたままだった奈々子さんの腕が、ゆっくりと僕の体に回される。


「一緒に…いてくれるの?」


「うん」


「わたし…ずっと好きでいても、いい…?」


「うん」


「蛍くん…幸せ過ぎて、私、倒れちゃいそう…」


「それは困るよね。部屋、戻ろう?帰るなんて言わないデショ?」


「言わない…」


ギュッとしがみついて僕を見上げてくる奈々子さんの顔は、ようやく花が咲いたみたいな綺麗な笑顔へと変わった。




いつでも真っ直ぐな恋心をくれた、奈々子さん。
今夜は僕がめいっぱい、奈々子さんを愛する番だよ。



/ 680ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp