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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第7章 君が唄うラブソング ※【月島蛍】



「蛍くん?まだ呆れてる?」

「…もう慣れた。奈々子さんが喜びそうなもの、選んであげるよ。1000円で」

「私もだよ。任せといて!」

声を弾ませる奈々子さんと道を挟んだビルまでやって来て、一旦別れる。

お洒落なセレクトショップなんかも並んでて、普段なら真っ先にそういう場所に立ち入るけど、今日は違う。
自分の買い物をする時には覗かないような店にも、足を踏み入れてみる。

マグカップ、タオル、ヘアアクセサリー、バスソルト、箸、ボールペン。
探してみれば、1000円で買えるものって意外とあるんだな…。
これ良さそう。あ、惜しい。1200円。

決められた金額のプレゼントを30分で探し出すって、テレビのバラエティ番組とかにありそうだよね。
でもこれ、結構面白いじゃん…。


何となく奈々子さんの案に乗っかっただけだったけど、思いのほかやる気になってる自分がいた。


「…こういうの、奈々子さん好きっぽい」


とあるコーナーで、ふと立ち止まる。
今までの人生で買おうなんて思ったことない。
でも、奈々子さんなら絶対喜んでくれると確信する。
値札を確認すると…980円。

よし、勝った…!!

何に勝ったのかは、よくわかんないけど。


支払いを済ませプレゼント用のラッピングをしてもらい、僕たちは再び落ち合った。


「お待たせ!いいもの買えた自信あるよ」


「僕も。奈々子さん、絶対気に入るから」


お互い、今買ったばかりのそれを目の前に差し出す。


「「メリークリスマス」」


ショップバッグを交換したところで、ふと気づく。
結局、クリスマス楽しんでんじゃん…僕…。



奈々子さんといると、楽しい気持ちが増えていく気がする。
彼女の言うとおり、このラッピングの中身が何なのか、帰ったあと開くのが楽しみだ。


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