• テキストサイズ

フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第7章 君が唄うラブソング ※【月島蛍】




「さぁ!どこ見に行こっか?」


「向かいのビルでいいんじゃない?雑貨とかも入ってるデショ。確実に野菜はないだろうけど」


会計を済ませ、カフェの扉を開くためドアノブに手を伸ばす。
しかしそれを掴むより先に、僕たちの向こう側へ開かれるドア…。



僕らと入れ替わりに店に入ってきたのは…



「あ…」


「月島…?」


「ツッキー!?」



赤葦さんと、汐里。



二人手を繋いで寄り添う姿が、目に飛び込んでくる。
どうやら付き合いは順調らしい。
仲良さそうで、何より。


「どーも。デート?」

「うん。久しぶりだね、ツッキー」

「最近月島が付き合い悪いって、木兎さんボヤいてたよ」

「はぁ…適当に誤魔化しといてもらえます?」

あの人といると、 "奈々子さんとのことを詮索する会" に早変わりするから避けてるんだよね…。





「ねえ、あかーしくん…だよね?」


「…あ。奈々子先輩?」


一瞬だけ考える素振りを見せたものの、赤葦さんはすぐに記憶の糸を手繰り寄せたらしい。

「わ、覚えててくれてる!嬉しい!久しぶりー!」

「お久しぶりです。まあ、木兎さんとはコンビみたいなものだったし…っていうか、何で月島?木兎さんじゃなくて?」

「えへへ。実は私、蛍くんの彼女に立候補中なの」

「え?」

奈々子さんのド直球。
赤葦さんが驚愕してる顔なんてそうそう見られるもんじゃない。
汐里も大きな瞳を瞬かせ、僕たちを交互に見つめた。


「変なこと言ってるとプレゼント買わないよ。じゃ、お先でーす」

「あ、ねえ!怒った?」

「呆れた」

「ええ?ごめーん!待って!」

さっさと店を出る僕と、慌てて付いてくる奈々子さん。





自分でもビックリ。



赤葦さんと汐里が二人でいるとこ見ても、もう全然痛くないや…。




さっき汐里の姿を見た時。
何か懐かしい感覚になったのは、そういうことなのかな。

改めてわかった心の変化が、こんなにも嬉しいなんて。
ちゃんと過去になってる。
心から二人の幸せを喜べる自分になったんだ…。


/ 680ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp