• テキストサイズ

フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第7章 君が唄うラブソング ※【月島蛍】



「なに?蛍くん…。私の顔に何か…、あ!!眉毛太過ぎとか思ってる?」

「は?いえ…」

「実は今日、上手に眉毛描けなくて…!あんま見ないでっ!」

「見てませんけど…」

見てないって言ってるのに、しきりに奈々子さんは両手で眉毛を隠してる。

木兎さんと同い年だから、二つ年上…だよね。
気配りできるところは大人だと思うけど、こういう仕草は無邪気というか、飾り気がないというか。
そういえば、年上と付き合ったことってないんだよね、僕。


「……」


いや、何考えてるんだろ…。
"付き合う" とか、奈々子さんは別にそういう対象じゃないじゃん…。
そうだ、黒尾さんと木兎さんのせいだ。
あの人たちが変なこと言うから…。


「そんな可笑しな眉毛してないから大丈夫ですよ。ワインなくなりそうですけど。次頼みます?」

「え?うん、そうだね。今度はカクテル…」


僕がメニューに手を伸ばそうとすると、言葉は不自然に途切れた。


顔を上げた先には、眉を潜めた奈々子さん。
そして、テーブルの脇にはそんな奈々子さんを見下ろす一人の男。


カウンター席で下衆な話を肴に盛り上がっていた男だ。



「奈々子じゃん…」


「……」


話しかけられた奈々子さんは一気に固い表情になり、その男から目を逸らした。
男の方はと言えば、冷めた瞳でチラッと僕を見下ろしてくる。


…は?何ですか?


「お前さぁ、実は自分だって二股かけてたんじゃねーのソレ?まだ別れて一ヶ月経ってねーじゃん。別れる時文句言わなかったのって、そいつがいたから?」

「は?なにそれ。私二股なんて絶対しないし。私を同類にして自分の罪軽くしてんじゃないよ、このダメ男」


怖…。いつもとは別人なんですけど…。

いや、それより。今の会話の感じ。
さっきこの男が話してた元カノって、奈々子さんのこと…?


/ 680ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp