第6章 マイ・スイートハート ※【赤葦京治 続編】
あまりにも早く果ててしまった…。
衝動のまま、快感を求めた結果がこれだ。
汐里を満足させてあげられたのか、まるで自信がない。
「大丈夫?なんか、ごめん…」
クッタリと寝そべり呼吸音だけを響かせる汐里。
顔を覗き込んでみれば、ぼんやりしていた瞳が不思議そうに丸くなった。
「何で謝るの?」
「いや…ちょっと色々抑えられなくて…」
「それだけ気持ちよかったってこと?」
「そういうこと。俺の彼女、エロ過ぎだから…」
下着が寝乱れたままの体を引き寄せ、熱の籠る布団の中で何度もキスをする。
すぐに俺の首に巻き付いてくる、汐里の腕。
「私も、すごく気持ちよかったよ?京治さんに求めてもらえるの、嬉しい…」
そう言って、汐里からもキスをくれる。
途端にまた疼き出す、俺の熱…。
「京治さん、ワガママ言ってもいい…?」
「何?」
「あの…、満足できなかった、とかじゃないからね?」
少し躊躇うように言葉を濁す汐里は、段々語尾を小さくしながらこんなことを言った。
「もう一回、シたい…」
それは、たった今俺も思ったこと。
まさか汐里の方から誘ってくれるなんて…。
こうなると、からかいたくなるのが俺の性。
「汐里のエッチ」
「や…!だって京治さんとするの、きもちいい…、から…」
「もう一回、だけでいいの?」
「…何回もできるの?」
「今夜は何度でもできそう」
「え?20回とかできる?」
「できるわけないだろ!どんな超人だよ」
「だって、何度でもって言った!ウソつきっ!」
「20回もしたいんだ、汐里は?マジでエロいな」
「違っ、そうじゃないでしょ!?」
慌て出す汐里に含み笑いしながらも、むくれて尖った唇にまたキスをする。
「リアルに言えば、あと2回ってとこかな」
「1回でも十分だけど…」
「次終わった時、"まだシたい" って言わせてあげるよ」
「もぉ…。ほんっとエッチ…!」
「まあ、男ですから」
もっともっと、汐里を愛したいんだよ。
何度だって、二人一緒にこんな甘い夜を越えていこう。
一年後も、三年後も、十年後も。
その先も、ずっと―――。