第6章 マイ・スイートハート ※【赤葦京治 続編】
京治さんの手が、私の手と重なった。
「ありがとう…」
多くを語る人ではないのに、ひとつひとつの言葉が私を癒してくれる。
この傷跡は恥ずべきものじゃないんだって、そう思わせてくれる。
繋がった手にキュッと力を入れると、京治さんの体が覆い被さる。
そこで気づく。お腹に当たる、固いもの…。
「わかる?汐里のせいだよ」
「…興奮してくれてるの?」
「もちろん。さっきの俺の言葉、信じてない?」
「そうじゃない、けど…」
「もうこんなになってんだから、言葉より説得力あるだろ?」
擦り付けるように、またゆっくりと押し当てられる。
体同士を密着させて、抱き締められて、そして…キス。
「私、もう十分幸せ」
「え。俺のコレ、放置する気?」
困ったように眉を寄せる京治さんが、何だか可愛い。
「無理強いはしたくない、なんてカッコつけたけど。本音は、抱きたくて堪らない」
下着のホックをはずし、素肌の胸を揉み上げる京治さんの手のひら。
「あ、そんな…、わたし、だって…、おんなじ…」
「良かった」
「抱いて…?」
私がそう言うのを合図に、京治さんが服を脱ぐ。
筋肉がついて引き締まった、綺麗な裸体。
中途半端に乱れたままのブラジャーとルームウェアは、自分で脱いだ。
抱き合いたいことを示すように。
肌と肌がピタリと触れ合う。
これだけでもう、気持ちよくて…
「京治さん…」
「汐里…、気持ちいい…」
「私も…」
お互いの手のひらで探り始める。どこがいいのか、好きなのかを。
でも正直に言えば、どこに触れられても快感しか感じられない。
「柔らか…」
「あ…っ」
執拗に胸を撫で回す手つきは、とてもイヤラシイ。
「汐里、やっぱり胸大きいよね」
「… "やっぱり" って、何?」
「ん?大きさなんて、服の上からでも何となくわかるでしょ。盛ってない限り」
「や…、エッチ!そんなとこ見てたなんて!」
「汐里はさ、俺のこと修行僧か何かだと思ってる?」
「いや、そこまで思ってませんケド…」
京治さんがこんなストレートにエッチなこと言うなんて、想像できなかったんだもん…!
「残念ながら、俺、結構エロいよ?」