第6章 マイ・スイートハート ※【赤葦京治 続編】
やっと、人目を気にしなくていい場所まで辿り着いた。
視線で赤葦さんに訴えてみると、それに気づいてくれた黒い瞳が近づいてくる。
「汐里って時々そういう目で見つめてくるよね…」
「そういう…?」
「俺の理性を刺激するような目」
距離がゼロになった私たちの体。
腰を抱かれ、唇を塞がれる。
激しく私を求めてくれる、熱い口づけ。
唇も、舌も、呼吸までも、全部赤葦さんに拐われてしまうみたい。
たぶん、今までで一番深くて、性急で、欲求を預けてくれるような…そんな、情熱的なキス。
「はぁ…っ、あかぁし、さん…、すき…」
「…っ、好き、だよ…、汐里…」
ウエストに巻き付いた赤葦さんの腕に力が入り、体が宙に浮く。
キスを繰り返しながら移動する先は、広いベッド。
寝かされて、また降ってくるキス。
大きな体が覆い被さり、身動きが取れない。
でも、それがいい。
この体が段々と赤葦さんのものになっていくみたいで、とても幸せ。
ひとしきり濃厚なキスを交わしたあと、赤葦さんは熱を持ったままの瞳で私を見下ろした。
「ごめん…、苦しかった?」
そう言いながら、優しく髪を撫でてくれる。
「ううん…。いっぱいキスしてくれて、嬉しい…」
「俺も。汐里が俺のこと受け入れてくれて、嬉しいよ」
二人で小さく笑う。
「風呂、溜めてくる。寒いからちゃんと温まって?」
靴だけ脱いだ状態で、まだ上着も羽織ったままの私たち。
そういえば外は寒かったな…。
手も足も、冷たい。
バスルームに籠り、甘い香りのボディソープで全身を包んでいく。
胸元に泡を滑らせようと手を当てれば、嫌でも目に入ってくるソレ。
また気持ちが塞ぎそうに…。
視線を外し、もう胸元は見ないようにしてシャワーを当て、たっぷりお湯の貯まったバスタブへ体を沈めた。
さっき二人でいた時は大丈夫だったのに。
赤葦さんは言葉と仕草で私への想いを伝えてくれるから、すごくすごく、気持ちが安らぐ。
心が満たされる。
赤葦さんのそばに行きたい。
十分温まった体にルームウェアを羽織り、彼の元へ…。