第5章 glass heart【赤葦京治】
とりあえずジェットコースターを制覇して昼食を挟み、お土産を選んで、クリスマスのショーを見て…。
私たちはひととおり園内を回って楽しんだ。
とても幸せ。
この場所に、またあなたと訪れることができたから。
日が落ちて、ますます気温が下がる屋外。
同時に寒さも増していく。
でもね、こうして二人でいると不思議とそれも気にならない。
こんなに心が暖かいままなのは、赤葦さんがいてくれるからだよ。
密かに彼を見上げてみる。
視線の先は、眩しいほどの電飾に彩られたパレード。
ふと私の視線に気づいた赤葦さんが、気にかけてくれるみたいに顔を覗く。
「寒い?」
小さく首を振るけれど、私の手は暖かい場所に納まった。
繋がれたままの二つの手が、赤葦さんのコートのポケットに隠れてしまったのだ。
赤葦さんのこういう優しさが好き。
あなたのことが、いつも大好き。
クリスマスだから、私も少し甘えていいかな?
彼の腕に体を寄せ、繋がれていない方の手を添えて、コテンと頭を預けてみる。
そんな私を見て笑ってくれるこの人のことを、たった今、もっと好きになってしまった。