第5章 glass heart【赤葦京治】
当初の目的どおり、コンビニでツマミとデザートを買い、木兎さんの家へ戻るため並んで歩く。
そっと腕を伸ばし、少し冷えてしまった彼女の手を握った。
俺の手は特別デカイわけじゃないと思うけど、簡単に包むことができてしまうほど、汐里のものは小さい。
木兎さんの家、もう少し遠くてもいいのに。
呆れるくらい独りよがりな考えだ。
君も、同じ想いでいてくれていたら…。
願うのは、そんな月並みなこと。
少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑ってくれる汐里。
俺のことを、ずっと好きでいてくれた汐里。
これからは、俺が汐里のこと、ずっと好きでいるよ。
大切にするからね、汐里―――。