第5章 glass heart【赤葦京治】
合コンのメンバーは高校時代の同級生に声を掛けて、すぐに集まった。
希望どおり、月末の金曜日。
職場近くの飲み屋さんで、私はテツさんと久々の再会を果たした。
「よお、汐里。ウェ~イ!」
「ウェ~イ、お久しぶりです。テツさん相変わらずチャラい」
「チャラくないですぅー。あ、汐里のオトモダチ?黒尾です。今日はよろしくね」
得意の営業スマイルでみんなに挨拶をするテツさん。
長身で顔もいいから、連れてきた友達のテンションが上がっているのがわかる。
予約してくれたお店の個室。
テツさんに案内された席には、既に三人の男の人たちが座っていた。
ツンツン立てた髪に、クリクリした目。
大きな声で表情豊かな、木兎光太郎さん。
この人がテツさんの言っていた "コミュ力凄まじい系" だということはすぐにわかった。
もう一人は、色素の薄い髪の毛に瞳、白い肌。
眼鏡越しでも、十分美形だということがわかる。
ちょっとツンとした雰囲気で近寄りがたい、月島蛍くん。
あと一人は、クセのある黒髪と涼しげな瞳が印象的な人。
四人の中では、いい意味で一番普通。
あまり表情が変わらなくて、月島くんみたいなタイプ?って思ったけど。
隣の席に座ったから、話してみてそうではないとわかる。
場の空気を読むのと気遣いが上手な、赤葦京治さん。
正直今日の合コンメンバー、かなり高レベル。
連れてきた友達も上機嫌で、みんなお酒が進んでる。
私はあんまりアルコール強くないから、ほどほどに飲んで少し休憩。
空のお皿をテーブルの端に寄せていると、隣から水の入ったグラスが差し出され、目の前に置かれた。
「よかったら、これ。顔赤いけど大丈夫?」
「あ…、私お酒弱くて。すぐ赤くなっちゃうんです。ありがとうございます、いただきます」
お水を少し飲んで、赤葦さんを見上げる。
座ってても顔の位置が高い。
赤葦さんに限らず、今日のメンバー全員だけど。
聞けばみんなバレーしてたって言うし、揃って長身みたいだ。