• テキストサイズ

フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】



穏やかな梨央の声は、確かに俺の中に入ってきたはずなのに…


上手く反応できない。



「は…、え…?……ちょ、待っ…」


戸惑う俺を、梨央はただ見守ってくれている。


「それは…プロポーズ…?」


「うん」


本当に予想外の出来事で。
ただただ、呆然とすることしかできない。


「あのね…私いつもてっちゃんに何かしてもらうばっかりだから……一生に一度くらい、カッコつけてみたかったの」


至極真面目な顔をしてそんなことを言う梨央に、もう言葉を失った。

今まで見てきた、色んな梨央の顔が浮かぶ。

でも、こんなに覚悟を決めたような顔は初めてで。
すっげービックリしてんのに、確実にじわじわと嬉しさが込み上げてきて。
思わず口元が緩んだ。


「何だよ…。逆プロポーズとか…すげぇカッコイイな」


梨央をグッと引き寄せ、抱き締める。
返事を考えるまでもない。
俺だって、ずっとそう思ってきたんだから。


「じゃあ俺を、梨央の旦那さんにして下さい」


「………ほん…と…?」


「もちろん。俺、すっげー幸せもんだわ」


「え?」


「心底惚れた女がプロポーズしてくれるなんて。そんな経験できる奴、なかなかいねぇよな?」


「そうかな…」


「そうだよ」


カッコイイプロポーズしたくせに、梨央は今更顔を赤くしてる。
こういうとこは梨央らしくて可愛くて、愛しさばかりが募っていく。




「梨央。二人で、幸せになろうな」



「うん…」



ゆっくりと唇を重ねる。


俺のキスでほんのり移った、チョコレート味の梨央の唇。
また啄んで奪って、このまま体ごと溶け合ってしまえばいい。


/ 680ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp