第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】
木々にぶら下がっていた茶色い葉は、全て地上に落ちてしまった。
日に日に寒さが厳しくなっていく中で、俺たちはまた、二人の時間を重ねていく。
会える時間をひとつずつ、丁寧に。
冷えた空気が厳しくなり、重い雲が天を覆う、初雪の頃。
サンタクロースを歌った唄に、緑、赤、ゴールドのオブジェが街中に溢れる、クリスマス。
普段神仏を拝んだりはしないのに、こういう時ばかりは一年の幸福を願う年明け。
本格的な春を向かえるには、まだ早い。
暖かなのは、二人で過ごす時間だけ。