第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】
打ち付ける度に漏れる声が愛しくて。
涙を滲ませる瞳が綺麗で。
もう、心は止まらない。
「梨央っ、愛してる…」
「てっちゃんっ、あぁっ、…愛してるっ…」
既にひとつになってんのに、まだ溶け合えるような気がする。
梨央の全てを、俺にくれよ。
「愛してるっ、愛してるよ、梨央…」
「んっ、もう…充分、気持ちっ、もらってるよ…?」
まだ足りない。
今まで、心で思っていても口に出来なかった。
戸惑う梨央の顔を見るのが怖かったのかもしれない。
離れた後、言えばよかったと心から思った。
梨央ならきっと、受け止めてくれた。
今ならそうわかるのに。
伝えられなかった自分が情けない。
だから今夜は、一生分の "愛してる" を君に―――。
「愛してる…ずっと…愛してるよ……」
「うんっ、私も…っ、あぁっ…」
絶頂まで行こう。
この先、何度でも。
欲を絞り出そうとする熱い梨央の肉壁が、ギリギリの理性を削っていく。
「てっ、ちゃぁ…んっ!」
甘い声で俺を呼ぶ梨央に体が震えて…
もう、耐えられない。
「……っ、梨央、俺には…梨央だけだから…!」
「んっ、てっちゃんっ、……愛してるっ……!」
「ああ…、っ、愛してるよ……」
果てる間際まで、声が続く限り "愛してる" を繰り返した。
幸福感と安心感と、梨央の柔らかな体に包まれながら…
もう、絶対に離さない―――
そう誓った。