第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】
優くんとの時間を思い返してみる。
意地悪で翻弄されることもあったけど…
優しくて、あったかくて。
包み込むような愛情をくれる人。
「うん…きっと、好きになってたよ」
って、言っちゃってもいいのかな…。
案の定、優くんから返ってきた言葉は…
「酷い人だなぁ…」
困ったように、また笑う。
「まあ、すぐにメチャクチャ可愛い彼女できる予定なんで。好きになられても困りますからね?」
「ふふっ、うん…」
出会いって不思議。
あの花火の日、携帯を拾ってくれたことも。
優くんが南さんの弟で、この店で働くことになったことも。
どちらも偶然の重なり。
でも、こうして偶然出会った私を、優くんは好きになってくれた。
本当に、ありがとう。
これは、慰めでも何でもなくてね。
間違いなく、優くんにはメチャクチャ可愛い、とびきりの彼女ができると思う。
だから、優くん。幸せになってね。