第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】
*夢主side*
「距離を置こう」
てっちゃんにそう言われて二週間。
彼からの連絡はいまだない。
私からも、勇気がなくて出来ない。
次に繋がった時。
その時こそ、本当に私たちは終わりかもしれない―――そう思ったら、怖くて堪らない。
てっちゃんのあんな顔、初めて見た。
荒らげた口調とは打って変わって、とても悲しそうな顔。
あんな顔させてしまったのは、他の誰でもない、この私。
優くんの優しさと好意に漬け込んで、寄りかかって、甘えて。
何を傷ついたフリしてたの?私……。
私の心が弱いから…
てっちゃんも、優くんも
二人とも傷つけてる。
本当に
身勝手で酷い女―――。