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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】



「てめっ、黒尾!?何でここに!?」

「ここの常連なの、俺は!つか、マジ!?大将って言うからすっげー嫌な予感したわ!南さんの弟とか、全然似てねぇし!」

ギャアギャアと盛り上がる二人をぼんやり眺めながら、ああ…そうか、と納得する。


「てっちゃんと優くん、友達だったんだ」


私がそう言うや否や、二人揃って恐い顔して睨んでくる。

「ハァ!?俺、爬虫類のお友達なんていねぇから!」

「ただの腐れ縁ですよ!」

そう…?
でも、息ピッタリだけど…。
優くんは大きくため息をついた後、ボソッと南さんにぼやく。

「黒尾と知り合いだったの?」

「最初はお客さんだったんだけど、バレー繋がりで意気投合しちゃって。あと、黒尾くんは武田さんの彼氏なの。お前たちこそ、知り合いだったなんてビックリだよ!いやぁ、世間は狭いねぇ~!」

呑気な南さんの声をバックに、優くんの切れ長の瞳が無表情で私を見つめた。


「武田さん、黒尾の彼女なんですか?」


「え?…うん」


「へぇ…。そうですか……」


ん…?
何だろう?
私がてっちゃんの彼女だと、問題あるの?


最後のひと言に棘があった気がして、私は黙り込む。
すると優くんはその表情をすぐ笑顔に変えて、柔らかな声を出した。


「残念。俺、武田さんの彼氏に立候補しようと思ってたのに」


あれ…
私の気のせいだった…?
優くんて、こんな冗談も言える人なんだ。
良かった、ますます仲良くなれそう。

「ふふっ、どうもありがとう。優くんにそんなこと言ってもらえるなんて…」

「オイコラ、ヘビ野郎!俺の前で梨央を口説くとか何考えてんの?あ、サカリですかぁ?ヘビにもサカリなんてありましたっけぇ?」

「話聞いてたぁ?口説いたうちに入んねぇだろ!ま、年中サカッてる分別のないネコチャンにはわかんねぇか」


何かこの感じ、汐里ちゃんとツッキーを思い起こさせるんだけど…。
まあきっと、仲悪いわけではないんだよね。



こうして優くんもお店の一員に加わって、私の日常はまた回り始めた。




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