第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】
いつも俺の心にこうして寄り添ってくれる。
甘えてくれて、甘えさせてくれて…。
「梨央」
「うん?」
「俺のこと、好き?」
抱き寄せて、キスをして、想いを確かめる。
「ふふっ。好きだよ、大好き。てっちゃんがそんなこと聞いてくるなんて、珍しいね」
梨央がたまに見せるこんな顔が好きだ。
俺を包み込んでくれるみたいな、穏やかで優しい顔。
「今は、梨央の "好き" を沢山聞きてぇの」
俺の少し伸びすぎた前髪を指先で弄りながら、梨央はまた笑った。
「好き、だよ」
「俺も好き」
「ねぇ、一緒にお風呂…入ろ?」
檜の香る露天風呂と、そばに浮かび上がる灯篭。
日が落ちてから見ると、尚更幻想的で雰囲気がある。
二人で入っても充分に広い。
肩まで浸かり足の間に梨央の体を納めて、後ろから抱き締める。
「気持ちいいね…」
「梨央…こっち」
「ん?」
振り向いた梨央の頬を撫で、桃色の唇にキスをする。
それから湯にぷかりと浮かぶ膨らみに手を伸ばした。
「柔らか…梨央のおっぱい、すげーいい触り心地」
「そこ触るの、楽しい?」
「楽しいとかじゃねぇの。気持ちいいっていうか、落ち着くっていうか…」
「じゃあ…いっぱい触って?」
梨央は俺のもう片方の手を取ると、触れていない方の乳房に導いた。
ああ…ほんと堪んねぇ…。
揉みしだいてる乳房はふわふわと柔らかく、時折指先で突起を引っ掻ければ、甘えた声を出す。
俺のしたいようにさせてくれてる。
「ん…っ、やぁ…」
耳の輪郭をなぞるように唇をそっと触れさせただけで、また梨央は可愛い声を出した。
ここは、俺が一番最初に見つけた梨央の性感帯。
あの時は想いを通わせた直後の車の中で…。
それなのに梨央は我慢しきれない声を思わず漏らして、今みたいに艶っぽく反応してくれた。
あれから随分大胆な梨央も見てきたけど、そこへ向かうためのスイッチみたいな場所がここだ。