第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】
ちゅうっ、とわざと音を立てて、少しだけ唇と唇に隙間ができる。
「私ね。てっちゃんとのキス…大好きなの」
「いつも気持ち良さそうにしてるよな」
「うん…。てっちゃんとキスしてるとね、もう、それだけで…」
"イッちゃいそう…"
その言葉を聞いた途端、俺にももう、余裕なんてなくなる。
キスだけでイクとか、ありえねぇよな?
でも梨央にとっては、そのくらいの快感だってことは充分に理解できた。
そんな言い方、嬉しすぎんだろ…。
上唇も下唇も、食いつくように舐る。
温い舌と舌を混ぜ合わせて、梨央の気の済むまで…と思うけど、俺も相当夢中だ。
もういい、って言われたとしても、そこで止めてやれる自信はない。
そっと胸に手を乗せてみる。
残念なことに、下着の感触が邪魔だ。
柔らかな梨央の乳房と、手の平を転がる突起。
いつも揉みしだいているそれを思い浮かべながら、浴衣の胸元を肌蹴させる。
ブラをずり上げて露にさせた柔肌を鷲づかみにすると、指が埋もれていく。
キスで感じてんだな…乳首はもうコリコリに固い。
いつもなら、舌で弄って吸ってしゃぶりついてってとこだけど、今はまだ早い。
もっとこの唇に、舌に、二人分の滴りそうな蜜に、酔っていたい。
唇と柔らかな膨らみの感触に集中していると、局部の上を何かが這っていく。
その正体は、目で確かめるまでもない。
梨央の指だ。
逆手にした手の平を撫でつけ、包んで、ゆらゆらと擦っている。
「梨央…すげ、エロ…」
「ん…、酔っちゃった…かも…」
そこに浮かぶのは、照れたような微笑。
「酒、弱くねぇだろ?梨央は」
「そうなんだけど…。お酒って、人を大胆にするんだね…。今…てっちゃんが欲しくて堪らない…」