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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】



私がてっちゃんの向かいの座椅子に正座すると、ペットボトルを差し出してくれる。

「梨央の」

「ありがとう」

てっちゃんが飲んでるのと同じスポーツドリンクを受け取って、ひと口飲む。


お風呂上がりの無造作な髪の毛も、覗く胸板も、黒い袖から伸びる骨張った腕も。
すごく色っぽくて、何だか直視できない。


改めて思う。
この人が恋人だなんて……私、一生分の運を使い果たしてるんじゃないだろうか…。



するとそこへ、仲居さんがやって来た。

「もう少ししたら、お夕食のご用意させていただいてもよろしいでしょうか?」

「あ、はい。お願いします」

部屋でゆっくり食事できるのは、やっぱり嬉しい。
どんなお料理が出てくるのかな?
ビール以外にもお酒あるよね?
冷酒とか飲んじゃおうかな。

てっちゃんの浴衣から、ほんの少しだけ夕食のメニューへと意識が傾いた時。
それを引き戻すように、彼は私の隣へやって来た。


「梨央の浴衣姿、すげぇ色っぽい」


「……ほんと?うれし…」


返事するより早く、てっちゃんの両手が私の腰を掴む。
ふわっと体が浮いたかと思えば、胡座の上に乗せられた。


「もう、今すぐ食っちまいたい」


私のうなじに唇をくっつけて、そんなことを言う。
漏れる息がそこを擽って、何だか妙な気分に。

でも……

「それは夜のお楽しみ、でしょ?」

「だな」

そう言いながら、私の浴衣の胸元に手を差し込んでくる。

「てっちゃんてば。ガ・マ・ン」

「してるだろ?」

「ふふっ…じゃあ、どこ触ってるの?」

「おっぱい、かな」

「もう。我慢してないじゃない」

クスクス笑いながら、てっちゃんの腕に手を伸ばす。
二人でじゃれ合うこんな時間も、すごくいとおしい。
いつまでも、こうしていたいくらい。


「梨央、いい匂い」

「てっちゃんも」

「ちょっとだけ、ダメ?」

「だーめ。お食事の用意に来てくれるって言ってたでしょ?」

「こんな状態でお預けとか、酷くね?」


お尻に固いものが当たってる。
すぐにソレと分かるけど、だってもうすぐ仲居さんが来ちゃう。
今するのは無理でしょう?


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