第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】
「梨央、うつ伏せになって」
言われるがまま、たどたどしく体位を変える梨央の腰を持ち上げ、今度は後ろから。
「あ、あっ…おなか…っ、…当たる…!」
バックでも感度は良好で、支えられなくなった上半身をベッドへ伏せてしまう。
ますます秘部を突き出す格好になっていることに、気づいてるのか、いないのか。
「やぁ…っんん…っ…!」
何度目かわからない絶頂を見たところで、お互いの顔が見えるように、また上から組み敷く。
力の入らない梨央の体を横へ向けると、しっとり汗ばむ脚を持ち上げ、俺はまた梨央の中へ突き立てた。
「やあぁっ…!これ…だめぇっ、も…わたし…っ、こわれちゃうっ!」
「壊れちまえよ…っ……」
波がくる。
どんどん、差し迫ってくる。
いつまでもこのままひとつになっていたい。
顔、声、締め付ける肉壁、溢れる局部。
梨央からの熱を存分に感じていたい。
でも……
「んんっ…てっちゃぁ…、…また……!」
「イキたいっ…?」
「んっ…、イキたぃ…っ、イかせてぇ…!」
「いいよ、梨央…、一緒にっ…」
梨央を気持ちよくしたくて、欲に狂わせたくて耐えてきたけど。
もう限界だ。
細いウエストを掴んで腰が引けないように固定すると、俺は奥へ奥へと自分自身を打ちつけた。
「んんっ…ああぁァ……っ!」
悲鳴のような嬌声が耳に届く。
梨央がオーガズムを越えるだろうタイミングで俺もありったけの欲を解放し、もう一度きつく梨央を抱き締めた。
果てた二人の身体はぐったりと重なる。
しばらくはそこから動くことなど忘れ、ただ同じように呼吸を重ねていた。
「てっちゃん…さっき…ごめんね…」
「あん?別に怒ってねぇよ?比べられたなんて思ってねーし」
シーツにくるまりながら情事後の余韻に浸っていると、梨央が不安げな瞳を向けてくる。
「梨央が可愛いから、意地悪言いたくなっただけ」
「ほんと…?」
「ほんと。それに、俺とのエッチがすんげー気持ちいいってことで、合ってる?」
「………合ってる」
「そんなら、最高」
恥ずかしそうにうなずいた後、梨央はようやくホッとした顔をして、俺に笑顔を向けてくれた。