第2章 この腕の中の君 ※【黒尾鉄朗 続編】
揺する度、唇の中でくぐもった梨央の声が響く。
俺とのキスで、いつもこんな風にうっとりとした顔を見せる梨央。
堪らなく色っぽくて、堪らなく愛おしい。
でもその顔は、俺を感じている時にはもっと官能的で…。
早くその顔が見たくて唇を浮かせると、めいっぱい梨央の奥を突く。
快楽に染まっていく梨央の顔。
目尻に涙を浮かべて、表情を歪めている。
「その顔、すっげ興奮する…」
「いや…っ、恥ずかし……見ないで…っ」
俺の視線から逃れるように、梨央はぎゅうっと俺の首にしがみつき、そこに顔を埋めた。
「だ……めぇ……っ!もぅ……!」
とうに限界は近かったようで、梨央は声を失い、ピクピクと体を震わせた。
くたりと力をなくした柔らかな梨央の体を抱き締め、耳元で囁く。
「イッちゃった?」
「うん…」
「梨央の体、ヤラシイな。すーぐイッちゃうんだ?」
反応が可愛いから、つい意地悪言っちまう。
案の定、恥ずかしそうに小さく首を振る梨央。
「こんなの…てっちゃんだけだもん…」
「………俺だけ?」
「………うん」
「ふーん。今、過去の男と比べられたの?俺」
梨央の表情が固まった。
今度は大きく首を振る。
「違…、そんな意味じゃ…」
「ダメ。お仕置き」
「待っ…!ああっ…はぁ、」
イッたばかりの下半身に、俺の欲を執拗にぶつける。
水音と、肌がぶつかり合う音を重ねながら、何度も何度も。
もう、加減なんて出来ねぇ…。
淫らでエロくて、全身で俺を求めてくる梨央。
一度高みに昇っても、もっと、と次の快感を欲しがる。
梨央がこんな風になるのは、俺にだけ。
俺だけが知ってる、梨央の姿。
そう思ったら、堪らなくなった。
もっと欲深い梨央を引きずり出してやる。
もう、俺なしじゃいられない体にしてやるよ。