第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】
「このままされると…出る…っ」
「ん…。らして?」
「…口ん中、は…、ダメ…」
そんなの、いいのに。
てっちゃんが気持ちよくなってくれるなら、全部受け止めてあげる…。
そう思うのに、私の口から肉棒が逃げていく。
肩に手が触れ、そのままベッドに寝かされた。
「そういうプレイはまた今度。俺たち初めて繋がるんだから。梨央ちゃんの中でイキてーよ」
「……うん」
もう一度、沢山のキスをする。
もっと、近づきたい。
もっと、てっちゃんを知りたい。
見たことのないあなたを見せて。
今度は私の中で、いっぱいいっぱい、気持ちよくなってね。
勃ち上がった場所に膜が被せられた。
それからてっちゃんはひとつキスをくれた後、ぽつりと言う。
「俺のものになって…」
「うん……」
膣口に当てられた先端が、ググッと押し込まれる。
ああ……いっぱい濡れてるから、何の抵抗もない。
一気に奥まで入っちゃう……。
「あ…んっ」
ピッタリと収まったソレ。
二人の吐息が同じように重なった。
控えめに揺さぶられた腰は、私の奥を突く。
そこは、私の自我を狂わせる場所。
すごく……気持ちいい。
また……溢れちゃう。
「ああ…てっちゃぁ、ん…、…」
「…っ、奥、好き…?すげ…締まる…」
私は何度も首を縦に振る。
いっぱいまで引き抜いて、また最奥へ熱を送り込まれて。
「激しいのは…?」
「うん…っ、すきぃ…」
今度は言葉で、はしたない意思を伝える。
すると、途端に激しくなる律動。
「あっ…!んんっ、はぁ…っ、やぁああっ…」
声が抑えられない。
腰から下が自分のものじゃないみたいにガクガクする。
やだ……。
私、今……自分でも腰振ってる……。
恥ずかしいのに、気持ちよくて、もっともっと欲しくて、自分の意思では止められない…。