第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】
てっちゃんのキスは、熱くて甘くて、蕩けちゃいそうなほど気持ちがいい。
もうどうにでもしてってくらい、夢中になってしまう。
もっと深くまで混ざり合いたくて、彼の首の後ろへ腕を回した。
「んんっ…てっ…ちゃ…、すき…」
「ん…俺も、好き」
キスの合間に必死に酸素を取り込んで、何とか「好き」と口にする。
グッと腰を抱き寄せられるけれど、太ももに置かれた手はそのまま。
くすぐったいのと、ゾクゾクするのと……そんな境界線のあたりを、てっちゃんの手がゆるゆる撫でていく。
膝まであったワンピースの裾は、大きな手によって徐々に捲られ肌がどんどん露に。
「すっげ、エロいんですけど」
下着が見えるギリギリまで、足が露出する。
「エッチ…」
「エッチですよー。梨央ちゃんの太もも、久しぶりに見たし。高校生の頃はいつもこんなミニだったよな」
「こんな短いわけないでしょ…。下着見えちゃうじゃない」
「それくらい刺激的だったってこと。思春期の性欲舐めんなよ?あの頃どんだけムラムラしたか…」
「……そんなの…知らなかった…」
「当たり前。言ってねーもん。俺、昔っから梨央ちゃんの脚好きなんだよねー。スラッと真っ直ぐで、白くて、柔らかそうで…」
とうとう太ももを直に撫でられる。
途端に私の体がピクリと震えた。
彼の唇は、耳元へ。
車の中のやりとりで、もうここが弱いことは知られてる。
わざと音を立てながら、また唇と舌でくまなく苛められ…
「やぁ…っ、んんっ」
思わず漏れてしまう、我慢しきれない声。
私の声に反応して、てっちゃんはもっとそこを攻め立てていく。
「梨央ちゃんのその声。やべーわ…めっちゃそそる」
「きゃ…!しゃべ、るの、だめ…っ」