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フォンダン・ショコラ【ハイキュー!!】

第1章 近くて遠い君 ※【黒尾鉄朗】



駅前のスポーツセンターの入口に棒立ちの私は、今、少しだけ緊張している。
今日は定休日。時刻は20時になろうとしているところ。

今夜、仕事終わりにてっちゃんたちがバレーをするらしく。
そして、何故かそこに南さんも加わるらしく。
尚且つバレーしたその後は店で飲もうって流れになったらしく。

「梨央ちゃんも遊びに来てよ」とてっちゃんに誘われたのが、先週の話。
どうやらこの場には汐里ちゃんも来るのだと言う…。



一歩踏み出し受付を抜ける。
すぐに目に飛び込んできたのは、あまり見たくない二人…。

「おーっす梨央ちゃん」

「お疲れ様」

短くてっちゃんと言葉を交わして、その隣に視線を移す。

ほんと、可愛い子だな…。


「こんばんは。梨央です。よろしくね」

「汐里です。こちらこそ、よろしくお願いします!」

大きな瞳で私を見上げてくる姿は、女の私でも釘付けになる可愛さ。

「仕事帰りじゃ人数集まんないしさ。3対3しかできねーけど」

「テツさんがバレーしてるとこ見るの、久しぶり。梨央さんは?」

「私は初めて」

「ほんとですか?テツさん、バレーしてる時だけは超カッコイイんですよ!」

「だけ、じゃねーだろ」


やっぱり、仲いいよね…。
何だろ…イチャイチャしてるようにしか見えない。
ああ…こんなこと考えてる自分、嫌だな…。


「ヘーイ!梨央ちゃん!」

「こんばんは、木兎くん」

バレーコートの隅には、Tシャツ姿の木兎くん、赤葦くん、ツッキーにリエーフくん、南さん。


それから……


「研くん!」


「あ…梨央ちゃん。お疲れ」


ん~、ウズウズする!キュンとする!
さっきの嫌な自分が一気に浄化される感じ!
思わずギューッとハグする。

「久しぶり~!」

「え…リエーフのお祝いで会ったじゃん」

「アップルパイ作ってきたからね!」

「ありがと…」

この素っ気ないのがまた可愛いんだよね。
こんな風にハグすると、少しだけ困った顔するところも。
すっかり気分が上がった私。
その横から、大きな手が研くんの首根っこを掴んだ。

「研磨、早く入れ。使える時間決まってんだから」

「Tシャツ伸びるよクロ…」

私から研くんを引き剥がし、てっちゃんたちは行ってしまった。


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