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【ユーリ!!!】2人分の1

第6章 初秋


中四国九州選手権大会が2週間先まで迫っていた。大事な大事な初戦を前に、勇利の前でピリピリしてはいけない……けど。

「だーーーーーーーもうドキドキする!!!毎年この時期はソワソワしてだめ!!!!仕事も手につかない!!!!今日お客さんにいつもと味が違うねなんて言われちゃった!!!!!」
「はは、ユラ落ち着いて」

ただいまヴィクトル・ニキフォロフ1名様ご来店中である。夜の23時、もちろん普段ならもうお店を閉めてる時間だ。今日夜そっち行っていい?とヴィクトルからメールが来たので待っていたらこんな時間まで来やがらなかった。いいけど。
だって勇利に黙って来たら不安がるだろう?って、黙って来たんかーーーい!!

「ユラの様子がおかしいから見に来てあげたのに」
「あっそういう理由?」
「勇利は気づいてなさそうだけどね」
「勇利の前だと特に気つかってるからね……」

ヴィクトルはそれを聞いてちょっとこちらを睨んだ。えっなに。美人に睨まれるのちょっと怖い。

「あの子、ちょっと前にキミに相談してもらえないって拗ねてたよ」
「あ〜〜……」

夏祭りの時のかな。身に覚えがあるので、ちょっといたたまれなくなった。本人にも怒られたのに、ヴィクトル経由でもまた言われてしまうなんて。多分少し落ち込んだのが伝わったのか、ヴィクトルはすぐに表情を緩ませた。

「でも、コーチとしては有難いんだよねえ。多分ユラが気をつかうのは正しいことなんだろうってなんとなく思うし。でもキミの友人としては微妙な気分だ」
「友人」
「違った?」

ヴィクトルは頬杖をつきながらニヤリと笑う。もーーーー師弟そろって俺に対して自信満々すぎない?!俺が2人のこと大好きなのバレてる!!!

「あってるわこのやろーー!」

このリビングレジェンド、弟子だけでなく友人のメンタルコントロールまでしてくる!!!!!万能かよ!!!
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