第1章 荘厳にして、可憐
「ぁっ、やっ…!」
いきなりの事に
珍しく真綿の脳の処理速度が追いついていないみたいだった。
「っ…おい…、治…っ」
嗚呼… その、顔。
かわいくて、少し歪んだ顔が、最高だよ
「優しくなんてしない。
あの男は大層 真綿を気に入っていたよね。
真綿に暗殺されるなんて知らないで
何度も、何度も、君を抱いた。」
「そういう仕事だったから致し方のないことだろうよ…」
「致し方ない?仕方ないから?気に入らない」
くちゅと水音を立てながら、その熱い体温を味わう。
花嫁のままの真綿を穢すって、いいね。
真っ白なものが少しずつ汚れていく様は
まるで神さまでも穢しているみたいで
「っ…、お、さむ…」
「余裕ない?珍しいね?」
くいと私の着ていた黒外套の 袖を引かれる。
「噛んでいいよ… 声、抑えたかったらね」
「噛むわけないだろうよ… 妾にとって夜伽など」
それから先は言わせない。
聞きたくない。
つ…と指先で 真綿の蜜口周りを愛撫すると
じわじわと、でも確かに蜜が漏れ出て、私の手を濡らした。
「っ…んん…っ…! 治…っ」
真綿の太腿に伝った 白い液を舐めとる。
「そんなもの……っ––––あ、」
「あの男は喜んで吸って舐めたんだろうね?」
自分の妻(になる予定だった人)の、真綿のだもんね?
しかも自分の愛撫で出してくれているものなら、尚更。
「貴様が、自身の中で、あの男と比べてどうするのさね」
その一言は、少しだけ、痛かった。