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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第49章 好きになったもの。後編…中原中也誕生日 4月29日記念





「わりィ」
「済まない……」


中也と真冬がバツの悪そうな顔で上橋と芥川に謝った。

損壊させた修練場を直すのは彼らである。







とはいえまあ、この部下二人は上にしょうもない上司を持つので、この程度であればむしろ軽い。


だって、ただ単に修理と掃除と
破壊工作の隠蔽をすれば良いだけなのだから。



「いいえ。
御二人が謝罪するような事はありません」

「……とにかく、ゴホッ……
この場はお任せください」


上橋と芥川がド真面目な顔でそう言った。



上が無能だと下は苦労するというが、これでは上が有能すぎて逆に手加減が効かないようでは困る。

ということを深く自責して暴れ……もとい、修練していた二人は謝ったのであった。





「説却、次は遊撃隊にでも寄るか」

「あァ、黒蜥蜴か?」




黒蜥蜴––––

ポートマフィアの傘下組織。


凶暴な実働部隊を担う武闘派組である。



構成員としては各々が特殊部隊並みの戦闘技術を持っているし、異能力を持つ者もいる。

上からの命令があれば、楯突く組織や
裏切り者を容赦無く皆殺しにする。



だから正式的には走狗なのだが、この場合はその認識でも大丈夫だろう。




その他にもポートマフィアは自称小さな寄合。


兵站班やら通信傍受対策、作戦参謀班は三島が見ているし、基本五大幹部は首領直轄の最高機関。

中也は強襲や急襲の戦闘員の養成、太宰や紅葉は拷問班、尋問班の統括も担っている。



逆に、車輌班や通信班は誰もが通る道だ。
(しかも免許まで取れるらしいのは風の噂)




果てにはハニートラップの女性要員は真冬が見もするし、異能力者ばかりの精鋭班は太宰が見ている。

少人数かつ頭のきれる者で構成されなければならないその精鋭班は、ポートマフィアの中枢にも食い込むだろう。





……まあとにかく、だ。





「……あ、こんにちは中原か––––ん、ぶ……」

「……」

「おや」



黒蜥蜴構成員、立原道造が真冬を見て硬直した。

銀も広津さんも呆気にとられている。




「……えっと。
よもや、真冬幹部か?」


「ふむん……そのまさか、だ」






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