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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第47章 Re:birth …II






昼間は与謝野女医と太宰の、男女差がない方が良いという乱歩の意見で二人で大学に潜入し、
一方の国木田は真冬と共にバディを組んでいた。


あの後帰ってすぐ、国木田は資料館で借りてきた書物の整理と把握に努め、

真冬は社長である福沢と乱歩の
三人の部屋に一直線に向かった。



とはいえ引ったくりの事件に加えて廃ビルを爆破させたのだから、収穫は多い。

真冬は知らない事だが、彼の言った
『布石』も後押ししてくれている。



音を立てずにふすまを開けて足音を消した。

寝息ひとつでその者が
寝ているかそうでないかくらい、真冬は判別など容易。



「おかえりなさい」

向こう側を向く乱歩が真冬に声だけをかける。
寝返りをうって、乱歩はこちらを向いた。


真冬がふと笑う。

「ただいま、戻った」



枕元に膝をつけば、その頭をゆっくりとなでた。


「……うん。

福沢さん、向こうにいる。
他のみんなは就寝したと思うよ」


まあ、もう十二時半だからね。

真冬が社長に報告と、
温かい日本酒と共に雑談でもしようかと腰を上げた時。



乱歩が真冬の細い手首を掴んだ。


薄っすらとだけ香る硝煙の匂い。



「何も言わない。
何も言わないけれど、彼らが敵かどうかなら判る。

彼らは紛れもなく敵だよ。




だから僕らの道の妨げになるのなら––––

排する」





自分を掴んだ乱歩の手を、真冬は額へ導き瞳を閉じる。

まるでひざまずいているようだった。




「……了承している。

心は、乱歩にあると誓ったからね。
何があっても、妾のかぞくはあるじ殿と乱歩だ」



「うん。

……きっとうまく、いくよ……」



スッと寝入った乱歩の布団を引き上げて、


真冬は行燈の蝋燭を吹き消した。






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