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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第46章 Re:birth …I





「はい?」
「あ?」

二人が顔を上げれば、差し出された店用の受話器。


……電話?

中也も三島も不審に思った。
ポートマフィアが、こんな危ない真似するとは思えない。


しかも相手は、こちらに幹部がいると知っている。

…の、だとすれば––––だ。



「切れ」

「は」

中也の言葉にマスターは受話器を置いた。

電話を待機状態にさせ過ぎると、逆探知される。



中也の隣にいる三島こそ、軍警の作戦参謀班まるまるひとつをたった一人で相手取れるような頭脳をしているが、

それの隣に立つ中也だとてほぼ同じこと。



ポートマフィアの頭である首領と、
頭脳派であった太宰に三島という三人衆がいれば

大体は作戦立案の時点で何とかなった。



「出よう。固まると危ない」

「あァ」

お釣りはいらないと中也が万札をカウンターに置いて、三島の袖を引きラウンジを後にした。



最上階近いところにあるラウンジだが、
二人は当たり前のようにエレベーターを通過する。

逃げ道がないからだ。




「どうやったら撒ける」


「そうだね……、相手は、僕らがマフィアだとは気付いていないと見える。
でも、自分の邪魔であり脅威になる。

そう気付いた」


かつん、かつん、と階段を上がり、屋上ガーデンに到着する。

金属の扉を片手で押せば、簡単に開いた。



野外の下、ビルの屋上の眼下に広がるネオンの街並み。


ここが……坂島。




「成る程な。
逃げた、と思わせれば良いッてわけか」


「そうだね。

……ああ、丁度いい。

このまま二人で哨戒に行こう。
夜のうちに色々、見ておきたい。」


相手が精神侵犯だったとしたら

中也ひとりの方が哨戒自体の効率は良いだろうが、出くわしたときに対処のしようがない。

その点で、三島と一緒にいれば別々に襲われることもない。




「わぁーッたよ…
ッて、だとすると……」


中也が口元を引きつらせて三島を見た。


「ん? はい」



三島が手を広げる。



……だよなぁ……






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