第45章 泡沫の花 後半…三島由紀夫誕生日1月10日記念
太宰や三島、真綿、俺という面子は
なにかと揃ったり、いつの間にか隣にいたりすることが多い。
4人中3人が幹部だからか。
太宰には他にも織田という友人や、坂口という苦労人の徒がいる。
真綿は職業柄、他人と一線を引いているが
三島には何となくその線が薄い気がする。
そして三島には上橋という、
真綿と折半して買い取った年若い女子がいる。
個人の交流はばらばらなのに、
こうして同じ鍋を軽くつつける連中がいるのは
格差社会であるマフィア内でもかなり珍しい。
…とりわけ俺ら男連中が
昔からの仲である、というのも手伝ってはいるが。
「何入れる?面白いもの入れたいなァ、私」
「闇鍋って言うくらいなら、黒いものだよね?
キャビア?でもあれ、煮て食べるものじゃないのだけれど」
太宰の一言目は無視したが、三島のキャビア発言はツッコミたい。
「キャビアなんて高いモンを
たかが煮込み料理に使えるか!
小さすぎて形も判ンねェわ!」
「ごもっともだよ」
三島が肩をすくめる。面白そうに。
確信犯か。
マジで疲れる奴らだな……