第45章 泡沫の花 後半…三島由紀夫誕生日1月10日記念
ポートマフィア五大幹部––––と聞けば
その手の輩は震え上がり、口を揃えてこう言うのだろう。
「人間離れした、とんだ化け物揃いだ」と。
それもそのはず。
風の噂かなにかでは、五大幹部全員が異能力という
とんでもなく驚異的な才能を保持しており、
一般的な民草の脅威には充分なり得る。
そして彼らポートマフィアでも、ヒエラルキー……
つまり身分制度は存在する。
有り体に言えば、
「ねえ中也。闇鍋しよう」
「三島君、ここにガスコンロとかあるよ!
ついでに練炭も!」
「あれ、コンロって炭要るんだっけ?」
上の命令には絶対に従うべし。
「要らねェよ…」
…なんだこいつら。
その顔ぶれは、下級構成員が居合わせれば
卒倒するであろう豪勢な面子。
五大幹部がひとり……太宰治。
同じく五大幹部、三島由紀夫。
そして俺は、準幹部という立場上、
この二人には従わなければならない身分。
突拍子もなく
こんなへんなことを言い出す奴らのだ。