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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第44章 泡沫の花 前編…与謝野晶子誕生日12月7日記念





愛する者に殺される異能力。


何て––––、何ていう異能力だろうか。



どうしてそんな異能力が、この世にあるのだろう?
なぜ無慈悲にもこんなに小さな少年に宿ったのだろう?
何で、そんな力が生まれなければならなかったのだろう。




「その異能力で、今までに、だれかが目の前で亡くなったことはあるかい?」

私の言葉に、三島君が頷いた。



矢ッ張り、話せないのかな?

まあそれならそれでも、手段は幾らでもある。


ただ、この年代の子どもならば自己表現をしたがる年なのに…





(否、特A級危険異能力者を
ごく普通の人間のそれと一緒にしてはいけないか)


そしてふと脳裏をよぎった一つの可能性。





「うーん……、嗚呼、もしかして」



森邸に隣接する診療所には
先の大戦で負傷した沢山の病人がいる。



自分が営む黒と白の境界線。

いわゆる、中立地帯。



日々聞く彼らの断末魔。
痛い苦しいと嘆く夜の慟哭。





「夢を食べていないからかね?

なるほどそれは私の落ち度だった。
君に人間的リソースが無かったのか」



そう彼に言ってみても、矢張り少年は『?』と首を傾ぐだけだった。






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