第43章 月は綺麗ですか…江戸川乱歩誕生日10月21日記念
「こんな夢を見たことがあるんだよね」
真綿の秘部に口元を寄せながら、呟いた。
臀部の溝を舐め、ふっと息を吹きかける。
「……っ、?」
ぴくぴくと爪先を震わせながらも真綿のその目は続きを問うていた。
「いきなり、ふと意識が浮上したんだ。
一瞬前までは、うとうと、春霞の中にいるみたいに微睡んでいたのに、いきなり目が覚めた。
そこには何があったと思う?」
問い掛けながらも、畳に染みを作っていく膣口を指で押し開いた。
難なく恥部を広げれば
とろりと解れきれなくて白い塊を伴った愛液が流れ出す。
「っあ…ッ!ぃ、や、…!」
「一面の血の海かと見間違えるほどの、真っ赤な花の絨毯だよ。
ぽつぽつって鉄琴みたいに高くて澄んだ音をたてて、虹色の雨垂れが続くの。」
ざあっと花びらを強引に蒼穹へと吸い込んだ風は、
真っ赤な視界にぽつんと御座す、天蓋付きの寝台の遮光カーテンをはためかせて散っていった。
「夢の中なのに、どこかぞっとした。
本当にさ、血の海に見えちゃって……
ま、寝起きの人をかどわかす夢の番人なんて、きっといい性格してるんだろうけど」