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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第43章 月は綺麗ですか…江戸川乱歩誕生日10月21日記念







「じゃあ、ここは踏み込んで聞こうかな。
何がそんなに不安なの?

ねえ?真綿」


その手を引く。

ふわり、後方に舞う黒髪が
ちらりと白熱灯に晒されて煌めいた。



「……不安?」

「そうじゃないの?」


くっと笑う真綿の笑みは

どうしようもなく


「妾に、不安など」


僕と似ている


「だって、君の手は血に染まりきっている」


福沢さんと出会う前の


「福沢さんがいつか見限るのではないかと、
どこかで諦めているはずだよ」


救いなど信じていない瞳


「もし一つ願いが叶うのなら……何を願うつもり?」


手を取ることに諦観を抱いた指先も




僕は、僕なら、知っているから

判ってあげられるから


だって君は、昔の僕と似ているんだ。






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