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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第42章 倒錯……V







「2人に?」

「そう。2人に」


乱歩が太宰の袖から手を放す。
翡翠の双眸は推し量るように細められたままだ。



「もともとあの2人は無駄も無ければ粗相も粗忽も目立つものはない。
仕事を迅速に終わらせるには、こと息の合った二人組なんだし」


「てっきり、乱歩さんと組んでいるものだと思っていました」


太宰の言葉に違うよと乱歩が適当な方向を向く。




「確かに真冬は家族だし、いつも一緒に居てくれる。
でも真冬は元々……」

暗殺者だった。

この言葉は、事実は太宰には言えない。



ふと回顧するように乱歩が口を閉ざし、与謝野女医も「ああ、まあね」とだけ言った。

与謝野女医は真冬の過去の素性を知らないが……
『普通の人間』ではないことくらい察しているだろう。

対象の因果を押さえつける。


社長に頼めば極秘資料に、その名と授かった冠位、そして書き連ねられた悪名の数々、所業の数々が出てくる。だろう。


無理に知ろうとは思わない。


でも真冬は普通の者ではない。





「元々?」


「……ううん。
国木田の胃痛軽減のためにもね。

だからこうして、あの2人も久々に2人きりの時間を過ごせるんだし……

たまにはね」



乱歩は話を曖昧に切り上げてから、机から立った。(可笑しな点を述べよ。)




「机に座るものじゃないですよ」






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