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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第5章 そのバーに集まる影





太宰はこのことを知っているのか。



先ほどの彼女…真綿が、『人探し』だと首領に助言していたなら

少なくとも、マフィアではないあの彼女には知られている。



そこには別に、重要視することはない。


首領が常に傍に置く暗殺者なら、森がその彼女に何を相談しようと、それは彼女の仕事内だ。



ただ––––もし、太宰が、安吾がいなくなったことを知らないのなら。




「…首領」

「嗚呼、心配は要らないよ」



織田の言葉を先読みしたかのように、森が怪しげに微笑んだ。




「真綿君だろう?

彼女なら大丈夫。

真綿君は、世界でただ一人、私の言うことしか聞かない暗殺者だ。
機密を漏らしでもしたら、『世界屈指』の名が泣く。」




舐めるなと言いたげな表情だった。


私は安心し、首領から『あるもの』を受け取った。





「……嗚呼、そうだ。 織田君」


「はい」


直立不動を維持したまま、私は返事をする。



「……しばらくの間、真綿君を貸してあげよう。
好きに使いなさい。

彼女には私から話を通してあるから、齟齬はないはずだ。」



「……は。」




……なんだか太宰に恨まれそうな気がした。



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