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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第5章 そのバーに集まる影




織田はとある自殺愛好家の幹部の友人であり

その男が、真綿という女性がどうしようもなく好きなことも知っていた。



毎回毎回、その男と会えば

『真綿のウエディングが可愛かった』だの『言葉遣いがいちいち可愛い』だの終始聞かされていたから。



この前だってそうだ。

バーに行けばすでにいて、小さな酒のグラスを煽り、安吾に怪我を問われるといった始末……




「機会があれば、真綿君から暗殺技術を学ぶと良い。

…って言っておいての、君に仕事だ。」




執務机の上にある、金属製の葉巻入れから

葉巻を一本取り出した森が、吸うでもなく弄び、織田に言ってきた。



「行方不明になってしまった、ポートマフィア情報員の坂口安吾君の捜索を頼みたい。」



坂口安吾––––

今、その仕事を頼まれた彼…



織田作之助と、さっき挙げた友人である太宰治と

坂口安吾は飲み仲間であり、
強い絆のある友人同士であった。




ぴくりと織田の指が揺れた。




小さくて、穏やかで。

それでも居心地の良い、日常。




……そんな日常が壊れてゆく音がした。




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