第35章 荘厳は淑やかに
「……っ…な、んで…」
ずるりと私の腕の中で脱力した真冬が腰を落としそうになり、抱きとめる。
微細に震える肩に、未だ白濁を滴らせる結合部。
「……何でって、なに?」
「……なか、に」
真冬がはぁっと息を吐いて、鏡に着いていた両手のうち片手を私の左手にやった。
真冬の両目を覆っていた私の左手は呆気なく絡め取られる。
タオルが足元に落ちて、白濁に濡れた。
「……さっき言っただろう。
君のナカに出しても、風呂場ならすぐに掻き出せるねって……忘れてなんてないよね?真冬は」
それともナカに出されたら後ろめたいことでもあるのかい?
ないでしょう?
真冬の腰を掴んでずるりと未だ絡む膣の襞を割り、昂りを引き抜いた。
とろりと互いの結合部同士を繋ぐ精液の糸。
栓をするように埋められていたから、真冬のナカから漏れ出たぶんの液がタオルを汚した。
真冬の腰に回した右手には違和感。
自分が注いだ精液がその白い胎に注がれて、触れば判る程度に膨らんでいた。
嗚呼……幸せだ。
「説却……まだまだ、イけるでしょ……?」
「も、……っなか、は」
なに言ってるの。
私は嘘は吐かないよ。
真冬が好きで、憎くて、可愛くて、憎くて、愛おしい。
「出すよ……約束でしょ?
私はちゃんと約束を守るよ」
君と違って、とは
言えなかったけれど。