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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第5章 そのバーに集まる影



「別にね、可愛いお洋服が嫌いなんじゃないのよ。

むしろ好きよ。だって可愛いもの。

でもリンタロウの必死さが本当、いや!」



言われてるねぇ…と真綿が引き笑いを堪えながらも

その首領執務室の両開きの扉を開けて、エリスと共に入る。



「エリスちゃん!
見給え、この襞!まるで血の色の花弁だろう?」

「聞いてよ真綿!!こういうリンタロウの例えもいや!」



エリスが、森に差し出されたスカァトを『嫌々』する。




「真綿君、済まないね、エリスちゃんの迎えに行ってもらって」

「否、エリスがこちらに来たのだ。
…ところで森殿、そろそろ通報が必要そうさね?」




冗談交じりに軽口を叩けば、森も楽しむように乗った。




「ひどい!聞いたかい織田君、今の真綿君の言い草!」

「…む。」


しかし、森の嘆くようなわざとらしい返しには介さず、突然真綿が耳を研ぎ澄ませた。


真綿が横にいたエリスをかばうかのように
若干、わずかに身体をエリスの方へと寄せる。



エリスを危害から守ることは、あるじである森に命じられた項目でもある。




「嗚呼、すまない、さっき呼んだものだから。
君に言い忘れてしまった。

警戒しないでくれ給え、真綿君。


彼は織田作之助。」




扉の前に控えた、背の高い、自然な色素の赤髪がそよぐ。

天然そうな雰囲気に、感情の乏しい表情…





「織田です」


凛とした響きを残す低い声が、静かに聞こえた。



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