第35章 荘厳は淑やかに
「ほら……もう、こんなに濡れているよ……
認めたくないなら、シャワー止めちゃってもいいけど?」
私はそう言いながら指でナカを押し広げる。
はぁと真冬が細く息を吐いた。
美しい、真冬は可愛いなんて言葉が似合わない顔立ちをしているが、今この時はとんでもなく可愛らしい––––
怜悧に整った端正な貌を恥辱に歪めるさまは、
少しずつ私の中の不安で不快な何かを洗い流していった。
真冬の吐息が曇る鏡を更に濁らせる。
「……ん、真冬……咥えちゃうの?」
両目をタオルで覆い隠された真冬は、
そのタオルの端をその可愛らしい唇で咥えて声を抑える。
ふぅん……抑えちゃうんだ。
そんなこと、しちゃうんだ。
「……じゃ…我慢、してね?」
きっと鏡の中の私は酷く歪んだ笑みをしていたのだろう。
開いたナカに指を更に滑らせ、まとわりついてくる温かな襞を縫いながら真冬の膣奥を目指す。
「ん……! っふ、ぅ…!」
「真冬のナカ……あったかいね」
指全部に感じるナカの温度は、表面温度よりも熱かった。
咥えられたタオルの端っこが
時折びくんと微震して、その度にキュッと真冬のナカが締まる。
「ほら……まだ、でしょ?
この程度でイっちゃ駄目だからね」
真冬の秘部に添えられた私の手のひらは着実に愛液で濡らされていって、私は無自覚に口角を吊り上げた。
「んっ、っは……ぁん…!」
真冬の目を覆うタオルを押さえた私の左手に、真冬がぎゅっと目を瞑った感触が感じられた。
そのまま私の方に真冬を寄りかからせれば、簡単にこちらへとしなだれ掛かる小柄なからだ。
びくと一度だけ真冬の華奢な肩が跳ねたから、私は膣奥へと進めていた指を大きく水音を立てながら抜いた。
絶頂なんてまだ早いでしょ?
「んっ…は、ぁ……!」
「声出していいのに……」
口に咥えていたタオルが真冬の口の端からこぼれ落ち、つうと銀色の糸を引いた。
その妖艶さに背筋がぞっとする。
真冬の真っ白な背中に自分の聳り勃つ昂りが添い、押し当てられた真冬の肩がまた跳ねた。