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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第34章 甘くて苦いもの







「ヤダ」


「そりゃ嫌だねェ。
連日そんなんばっかりで、夢まで呪われちまいそうだよ」



武装探偵社に戻って来てまず、この話をホワイトボードで説明しながら言ったものの。

矢張り、誰もそんな所行きたがる訳がなくて……



非番のはずの乱歩さんはヤダと、
そして今日は常勤してる与謝野女医も嫌だと言った。




「しかもわざわざ夜中の学校で七不思議だッてぇ!?
七つも聞いといて、あんたら呪われるよ」

「えッ!?」


与謝野女医の言葉に過剰反応したのは国木田君。


矢ッ張り幽霊とか怖いんじゃないか、そうからかいたくなる。



「よく言うだろ。
七不思議は、七つ目を知った時点で呪われンの!」



「あーあ。二人とも手遅れ〜

……塩とかあったかなぁ」


乱歩さんが菓子の詰まった袋をガサガサさせて、
与謝野女医も給湯室に引っ込む。

そう言えば……と国木田君がふと目線を向けた先。


今日は怪我の療養で、今いる乱歩さんにこの事件の詳細を聞いてもらっているはずの……



「真冬は、夜出られそうなのか?」

「えー……ダメ〜」


国木田君の問いに乱歩さんがせんべいを食べながらそう言った。




「だって久々の休暇だよ?

働きすぎで休ませろって言ってたの誰?
しかも怪我……まだ治ってないし。

だからダメ。ね?」


乱歩さんが指でバツを作る。
その翠の双眸は細められたままだ。




「……それは、そう……だな。
仕方ない、矢張り人手的にはあと二、三人

他に戦闘員が欲しかったところだが……」



国木田君がくそ真面目な顔をしてそう言うもんだから、

乱歩さんがくすくすと笑った。




「ぷっ、神妙な顔しすぎ。じょーだん冗談!

僕も真冬もそれ、行く気満々だから安心しなよ?」



「え!?」
「えっ?」



乱歩さんのその言葉に

国木田君も、勿論私も驚いて彼を見た。


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