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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第32章 Vermilion Bullet ……II





「そう言えば貴様」

「え?何?」


燃え広がりのひどい交差点へと国木田君と急いで向かっていた時

急に話しかけられて答えた。




「ちょっと、走ってる時に喋ると余計体力使う」

「貴様、今までどこ行ってたんだ?
何かしようとしてたのは最後、宿舎で見送った時に見たが」

「ねえ聞いてる?」


上空から火のついた瓦礫がぐしゃりと落ちて来て、わあとか言いつつ避ける。




「……何していたか、ね。
バージンキラーはさ、どうして男の人を去勢して殺し回ったのかって」

「初歩的な事ではないか」

「たとえば?」

国木田君がくそ真面目な顔をして私を見ずに走る。

息が上がって来て、嗚呼ほら、矢ッ張り走りながら喋るのは駄目だよ。



「大まかに言えば、誰かを探していた。これに尽きる」

「でも、男を探していたって事?
男の人にあって、女性にないもの、そう考えたりしなかった?」

「何?」




私は、今日の一人だった時間、ある場所に行った。


そして、ようやく判ったのだ。
この事件は、勝ったも同然だ。


嗚呼、だからか。

判った事を順序立てて考えれば、自然とその答えにたどり着いた。




そして尚且つ––––––異能力という、この世界において

奇異 奇特 魑魅魍魎じみた力が在るからこそ起きた事件だと。




「実はさ……私とある情報から、バージンキラーの本丸っぽい所を見つけたんだけど」

「…………は!?」





国木田君が、顎が外れそうなくらいにすごい顔をして


私に手が出た。




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