第31章 お花畑で会いましょう…谷崎潤一郎誕生日7月24日記念
「私の知り合い……うぅん、友達……なのかな。
その由紀君は、他人の感情を喰い物にして皮肉ってくる子だからなぁ」
「ふぅん……じゃあ、妾の由紀とは違うねェ。
身体が弱くて、頭脳戦これめっぽう一辺倒で、勝てる争いしかしないような奴」
二人の言い分を聞いて谷崎兄妹が苦笑した。
「でも、ボク……、3年前?くらいに……
なかなか反りの合う友達がいたような気がして」
「その子のことも覚えてないのかい?」
確か、なぜかいきなり転入して来て……それで……
……それで?
ナオミの記憶が意味消失した時期も、確か同じくらいの時期で。
「お兄様、考えすぎですわ。
眉間のシワ、取れなくなってしまいますわよ?」
「うっ」
ぎゅむ、とナオミが にやけながら兄の眉間をつまんだ。
「そうだね……」
「ちょっと息抜きして来たら?
ついでに買い出し頼んで良いかィ?」
与謝野女医がそう言ってくる。
絶対、後者が本来の目的なんだろうな……と
谷崎兄妹が苦笑して頷いた。