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威 風 堂 々【文豪ストレイドッグス】R18

第31章 お花畑で会いましょう…谷崎潤一郎誕生日7月24日記念






「由紀って、どの由紀だィ?」



「え?」
「えっ」



唐突にそんな声音が響き、太宰と谷崎兄妹が

そう言ってきた与謝野女医を振り向く。




「与謝野女医にも、由紀さんていうお知り合いの方が?」

「え?あー、ウン。
まあ、字面が違うユキかもしれないけどね」




太宰のいうユキと、

谷崎兄妹のいうユキと、

与謝野女医のいうユキは、


どれしもが違うかもしれないし、もしかしたら3人のうち

二人くらいのユキはユキかもしれないけど。




「私もお兄様も、こう、何となく……
3年くらい前の記憶がちょっとだけ曖昧でして。

ねえ、お兄様?」

ナオミが悩ましげに問えば、潤一郎もうなずいた。


「嗚呼、はい。
何となく、靄がかかっているような、なんと言うか」


うーんと兄妹が首をひねる。

挙動が同じで、今度は与謝野女医が笑った。



「そうなのかィ?
妾は別に、由紀のことは鮮明に覚えているしねェ」

「私も由紀君のことは覚えてるよ?」


与謝野女医が言い、続けて太宰も同意した。




「じゃあ、お二方のその人と
私たちのいう由紀さんとは、違う人かも知れませんわね」

「イヤイヤ、逆に同じだったら世界狭すぎだからね」

ナオミが兄のその言葉に耳たぶを引っ張った。




「妾はごく偶に、声が聞けたらラッキー程度しか会ってないしねェ……
まあ、大概 向こうが子どもみたいな反応と紳士みたいなノリで何とかしてるンだけど」



「うーん、私の言う由紀君は意地悪なイメージが強いからなぁ……」





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